迷走タクシー

知りたいことは知らされ、見たいものは見させられる。世界はそういうふうにできている。悲しいのは、私の道が見つからないことではなくて、道が私になにも語りかけてくれないことだ。このなんとも言えない薄暗さが、とにかく悲しい。もうこれ以上、私を孤独にしないでほしいと思う。寒い。道を照らす光りがほしいし、温かさがほしい、と思う。こわかった。今思いだしても身がすくむ。←はあ、そして一日が経過し、自分のこの文章を読んで、改めて「迷走タクシー」の恐ろしさを噛みしめる。ほんといや〜、下手なホラーアミューズメントなどより、もうね、迫力違うから。
無事こうして生還できたから笑い話にもなるけどね、こわいよ〜、ほんとに目的地に辿りつけないタクシーって。しかもド田舎夜道。はあ、思い出したらやっぱり気持ちすさんできた。特に、一人の時のあの恐怖。結局、目的地である府中駅に行くことができず、しょうがないから、(もうこわくてこれ以上乗ってられないから一番近場で明るいところでおろしてもらったのが)八王子駅で降ろしてもらい際に、「お客さ・・・ん、このこと、お願いだから、会社に言わないで」と糸引いた納豆みたいネトネトと言ってきたあの運転手の気持ち悪いこと。目的地にたどりつけないだけならまだしも、それに焦りを感じた運転手が、(おそらく尼崎の列車事故の運転手がそうであったであろうに)すべての意識を目的地に向かうための道を探すことに持っていくんだよ。客乗せてることを忘れるな(エコー(忘れるな〜)エコー(忘れるな〜))、私は何度も、「おじさん、安全運転第一でね」とサブリミナルな効果を期待して、超音波発信していた(現実には、言語化していた)。はあ。やたらこわい。思い出したら、また心臓ドキドキしてきた。そうよ、そいで腹立ちを倍増させてくれるのは、某R大のT氏が、自分はホテルに着いたとおもったら、それまでのタクシー代金も払わず、サッサとトンズラしてしまったことだ。私お金ないって言ってんのに、しかも、私はこれから、府中までの長い道中が始まるのにいくらかかるかわからず、ドキドキで、あ〜、もう腹立ってきたわよー!!!N氏が財政逼迫されているにもかかわらずお支払いくださったから救われたが、そうでもなかったら、+私が生還してなかったら、幽霊になって祟り殺してただろう。