2004-08-01から1ヶ月間の記事一覧

障害肯定の可能性

「障害」のスティグマとしてのインペアメントとディスアビリティの位相に着目することからは、「障害」を肯定的に捉えることはできない。正確に言えば、この水準における「障害」は否定的である限りにおいて「障害」なのであって、その否定性を払拭し得たと…

社会的価値の変革

障害者の文化を認めるという価値観の変化なしで社会環境の変革を進めることは困難だし、ともすれば逆に障害者への偏見を強めてしまう。障害と共に生きる価値を認めることは、社会環境の変革に魂を入れる作業である。障害による差異を祝福として受け止められ…

「医療モデル」と「社会モデル」

相反する障害観を前提としている「医療モデル」と「社会モデル」の双方において「障害の否定」という戦略が共有されていることが分かる。「医療モデル」は「障害」のスティグマとしてのインペアメントの側面に照準して、「障害」は常に治療の対象であり、リ…

障害アイデンティティ肯定のための3つの戦略

障害者は自らのアイデンティティを肯定的なものにするために、その否定的な影響を緩和しようとする。そのための戦略としては、次の3つが考えられる。すなわち、「障害」を軽視してその否定的な影響を減少させるか、否定的に意味付けられる「障害」を否定し…

インペアメントの位相とディスアビリティ

これらのインペアメントの位相と相互に関連する形でディスアビリティは理解される。その中には、差異としてのインペアメントに関連して、それを考慮しない、あるいは対象外に置くことによって生じるディスアビリティと、スティグマとしてのインペアメントに…

インペアメントの位相

インペアメントの位相を、その発生過程に着目して区別したい。まず、個人の身体に着目する限り、そこには純粋に生理学的に同定が可能な身体的な機能や形態がある。それぞれの個人の身体には一定の機能・形態があり、それはその個人の生の条件となる。例えば…

「社会モデル」の問題

インペアメントとディスアビリティとの因果的な関連性を切断した上で、少なくとも障害者にとって問題なのはディスアビリティであるとする。このように戦略的にインペアメントを問題系の外部にくくり出すことで、「障害」をまさに社会が解決すべき問題として…

星加さんの http://www.arsvi.com/2000/020915hr.htm から引用

「社会受容」の問題

ディスアビリティコンシャスは必要である。 と同時に、障害者カテゴリーの否定的な価値付与の適正化は求められる。 南雲は「社会受容」が障害者の「自己受容」を促進すると仮説を立てるが、 なんだろ。「社会受容」って「社会」が「障害」を「受容」するって…

「受容」とは? なぜ「抑圧」や「変革」ではないのか。

インペアメントと<インペアメント>

この落差をどうにかするために社会モデル、文化モデルがある。 障害受容という時の「障害」は<インペアメント>から始まっている。 そうした「決めつけ」の紐解きとして社会モデル、文化モデルがあったとも言える。 <インペアメント>と本人の結びつきによ…

アイデンティティ・ポリティクスと社会受容

夏目尚さんの「障害者のアイデンティティ・ポリティクスについて−ディスアビィティ/インペアメント概念再考−」を読む。かなり目から鱗。・優生思想と能力主義 ・インペアメントと<インペアメント> ・ディスエイブルメントとディスエイブリズム